トルコ語の名詞や動詞などは、語尾を様々な形に変化させることで、意味を変化させます。以下では、ev(家)という単語の語尾変化と、意味の変化を示します(日本語例は意味の1つを示しています)。
日本語 | トルコ語 |
---|---|
(1つの)家 | ev |
(複数の)家 | evler |
家を | evi |
家へ・家に | eve |
家で・家に | evde |
家から | evden |
家の | evin |
語形変化させるには、特定の役割をもった語尾を単語にくっつけるわけですが、例えば、名詞を複数形にするための語尾は lar と ler の2種類あります。名詞にどちらの語尾を付けるかは、母音調和に従います。
ev の母音は、e であり、これは前舌母音です。なので、複数形にする場合、後舌母音を含む lar ではなく、前舌母音を含む ler をくっつけます。
patates(ジャガイモ)という単語には、前舌母音である e と、後舌母音である a の両方が含まれています。この場合には、単語の最後にある母音を基準に、母音調和させます。
patates の最後の母音は、前舌母音の e なので、複数形を作る場合は、前舌母音を含む ler をくっつけて、patatesler とします。
前舌母音と後舌母音は、唇を丸めて発音するか、そうでないかで、更に2つのグループに分けることができます。前舌母音(e, i, ö, ü)は、e, i と ö, ü に、後舌母音(a, ı, o, u)は、a, ı と o, u に分けられます。このグループ分けは、母音調和させて語尾を付ける際に役立ちます。
先ほど紹介した、複数形を作るための語尾は lar と ler の2つです。語尾の形が2つだけの場合、単語の最後の母音と語尾に含まれる母音の関係性は以下のようになります。
単語の最後の母音 | 語尾の母音 |
---|---|
e, i, ö, ü (前舌母音) | e |
a, ı, o, u (後舌母音) | a |
語尾の形が2つだけの場合、単語の最後の母音が e, i, ö, ü のいずれかである場合、e を含む語尾がくっつき、単語の最後の母音が a, ı, o, u のいずれかである場合、a を含む語尾がくっつきます。
次に、語尾の形が4つある場合、単語の最後の母音と、語尾に含まれる母音の関係性は以下のようになります。
単語の最後の母音 | 語尾の母音 |
---|---|
e, i (前舌母音) | i |
ö, ü (前舌母音) | ü |
a, ı (後舌母音) | ı |
o, u (後舌母音) | u |