ヒンディー語の名詞には、性別、数による区別、格があり、性別は男性と女性の2つであり、数は単数形と複数形があります。そして格は、主格、斜格(後置格)、与格の3つです。
名詞が示すものが単数であれば、単数形を使い、複数であれば、複数形を使うのが基本です。
人や一部の動物を示す名詞の性別は、自然の性別と一致していますが、その他、物や現象などを示す名詞が男性名詞であるか女性名詞であるかは、意味などから推測することが出来ません。
また、一部の名詞は、同じ形のまま(活用は異なる)男性名詞にも女性名詞にもなりますが、性別によって意味が異なります。
息子【男性名詞】
娘【女性名詞】
紙【男性名詞】
車【女性名詞(この単語を女性名詞として扱う場合に車という意味になる。男性名詞として扱うと、税金、仕事などの意味になる。)】
ヒンディー語の名詞の規則的な活用パターンは、大きく分けて4つあり、主格単数形の語尾が『aa』である男性名詞とそうでない男性名詞、語尾が『ii』である女性名詞とそうでない女性名詞です(これらのパターンの中にも例外はあります)。
名詞の活用は、単数形の最後の母音が別の母音に変化するか、単数形に特定の母音を追加するのが基本です。4パターンあるものの、4パターンの共通点も多いので、比較的覚えやすいでしょう。
以下に4パターンの表を示しますが、カッコ内の文字は、単語の最後の母音に注目した時の変化となります。名詞の活用では、この母音の変化を覚えることとなります。
主格単数形が aa(आ)語尾の男性名詞は、語尾の aa(आ) を e(ए) にすると主格複数形となります。斜格と与格の単数形は、主格複数形と同じ形です。
斜格複数形は、斜格単数形の語尾の e(ए) が o.n(ओं) に変化した形であり、与格複数形は、与格単数形の語尾の e(ए) が o(ओ) に変化した形です。
格 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
主格 | बेटा (aa) | बेटे (e) |
斜格 | बेटे (e) | बेटों (o.n) |
与格 | बेटे (e) | बेटो (o) |
語尾が子音である男性名詞は、斜格複数形、与格複数形以外は同じ形をしており、斜格複数形は、斜格単数形に o.n(ओं) を追加した形であり、与格複数形は、与格単数形に o(ओ) を追加した形です。
格 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
主格 | काग़ज़ | काग़ज़ |
斜格 | काग़ज़ | काग़ज़ों (+o.n) |
与格 | काग़ज़ | काग़ज़ो (+o) |
語尾が ii(ई) の女性名詞は、単数形がどの格も同じ形をしています。主格複数形は、主格単数形の語尾の ii(ई) を iya.N a.N(इयाँ) に、斜格複数形は、与格単数形の語尾の ii(ई) を iyo.n(इयों) に、最後に、与格複数形は、与格単数形の語尾の ii(ई) を iyo(इयो) に変化した形となっています。
格 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
主格 | बेटी (ii) | बेटियाँ (iya.N a.N) |
斜格 | बेटी (ii) | बेटियों (iyo.n) |
与格 | बेटी (ii) | बेटियो (iyo) |
語尾が子音である女性名詞は、語尾が子音である男性名詞と活用が似ており、単数形はどの格も同じで、斜格と与格の複数形の作り方も同じです。
語尾が子音である男性名詞と違うのは、主格の単数形と複数形で形が異なっており、主格の複数形は、主格の単数形に e.n(एं) を追加した形となっています。
格 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
主格 | कार | कारें (+e.n) |
斜格 | कार | कारों (+o.n) |
与格 | कार | कारो (+o) |